第22話出撃

 アルクス・プリーマに煙を吐いたアルクス・ニゲルのシムーンが滑り込んでくる。シヴュラ「アルクス・ニゲルが落ちました。」
 5機の古代シムーンと礁国飛行爆弾が多数、大聖廟と街に向かってくる。パライエッタ「我々は出来ることを精一杯やるだけだ。」テンペストシムーンで、ヴューラがシミレで街に向かっている飛行爆弾を破壊することにする。モリナスがパルのロードレアモンに言う。「リ・マージョンを魂の追悼の為にやろうと、敵を追い払う為にやろうと、リ・マージョンをやることには変わりはない。以前はそう思ってた。」リ・マージョンと機銃で飛行爆弾を落とし続けるも、全てを落とす事はできない。1つの飛行爆弾が街に向かっている。モリナス「でも、今は違うと思っている。同じリ・マージョンでも意味は全く違う。」モリナスは自らの機体を飛行爆弾のプロペラに当てて、爆弾を空中で爆発させる。腕に怪我を負うモリナス。嶺国シムーンと礁国機が旋回して去っていく。アルティ「あのまま攻められてたら、私達やられてたかも。」
 グラギエフの部屋で、アヌビトゥフはシヴュラ・マミーナの遺体を運んで行ったシミレが戻ってこない事から宮国の制空権は既に失われてしまったと話す。グラギエフ「シヴュラ・マミーナの遺体がどうなったのかなど、どうでもよいと、そうおっしゃるのですか。司兵院様。」アヌビトゥフ「グラギエフ、その事はシヴュラの方々には内密に。」グラギエフ「アヌビトゥフ、まさか君まで。」アヌビトゥフ「先程の礁国シムーンの行動は、我々はいつでもお前達を攻撃できるのだと言う示威行為さ。そして、それは紛れもない事実だ。」
 大聖廟に多くの人が集まっているのを、アルクス・プリーマに戻った3人が見ている。ユン「オレ達にも出来ることがあるはずだ。」
 モリナスの腕にロードレアモンが包帯を巻いている部屋に、ワポーリフが入ってくる。ロードレアモンはワポーリフに傷の手当てを任せて部屋を出て行こうとして言う。「モリナス、私達にはまだやらなきゃならないことがあるのよね。でも、私はテンプスパティウムに捧げるリ・マージョンが好き。」モリナス「ええ、私も。そしてたぶん、みんなも同じ気持ちだと。」ワポーリフが包帯を巻ながら言う。「もっと、自分を大事にしてください。モリナス「そうするわ。」ワポーリフ「約束ですよ。」モリナス「約束・・・。」
 街から非難してきた人達の前に、特別な衣装をまとったネヴィリル、アーエル、ユンがあらわれる。
 会議室で、会議が行われている。アヌビトゥフ「礁国と嶺国は1時間前、連名で我がシムラークルム宮国に停戦の申し入れをしてきました。」司兵院、宮守を中心にもめる様をハルコンフがうつむき聞いている。
 人々に前で祈りを捧げるアーエルとネヴィリル。アーエル「アタシはこんな・・・」ネヴィリル「いいえアーエル、あなたがどう思おうと、あなたはシムーン・シヴュラ。」アーエル「アタシは戦いしか知らない。祈りなんて知らない。」ネヴィリル「アムリアは戦いの人だった。でも、彼女の祈りは多くの人々を祝福した。人々はアムリアの元に集まった。」人々は巫女様達が敵国から守ってくれると信じている。
 ユンの部屋に入ってきたロードレアモンが、マミーナの遺髪をゆりかごに入れて言う。「マミーナはユンの傍にいたほうがいいって思うの。」ユンはテンプスパティウムの首飾りを見つめ、オナシアが歩いた後の破片を思い出す。ロードレアモン「ねぇ、マミーナをこれからもお願い。ユン。」ユン「分かった。」
 聖堂で祈るグラギエフとアヌビトゥフ。グラギエフ「君が私に隠し事をするとは思ってもいなかった。」アヌビトゥフ「私もだよ。」「君が何を望んでいるのか分からなくなった。」と言って、グラギエフは歩き去る。アヌビトゥフ「私が望んでいることか・・・。」
 舞踏場でグラギエフが、シヴュラ達に和平の申し入れがあったことを伝える。和平の申し入れを疑う向きもあるが、今度は本当かもしれない。ネヴィリル「私達は、私達の出来ることをするだけ。」パライエッタがグラギエフと今後の事について話す。フロエとアルティが、パライエッタも同じ事を言っていた事をネヴィリルに伝える。
 街の復興に手を貸す、訓練生や整備要員。
 メッシスと並ぶアルクス・プリーマを見たワウフが言う。「でかいなぁ。アルクス・プリーマは。」アヌビトゥフ「はい。この同型艦アルクス・ニゲルが沈んだとはにわかに信じられません。」ワウフ「全くです。君とグラギエフが反目しあっているという事と同じ位信じられません。私には量り知れない。お互いに譲れない思いがあるのでしょう。」アヌビトゥフ「グラギエフは一途過ぎます。」ワウフ「全くだ。男にしておくのはもったいないな。アヌビトゥフ、グラギエフとは早く和解することです。時間はそんなに無いかも知れません。」サイレンがなり、アヌビトゥフは艦に戻る。
 シャワーを浴びていたパライエッタとカイムも、サイレンを聞く。パライエッタの服を着る姿に、カイムのメガネが久々に光る。「パラ様〜。」
 アヌビトゥフは艦を出す指示をする。なかなか出撃しないテンペストに苛立つ司兵院。アヌビトゥフはテンペストを飛行甲板に待機させ、グラギエフにアルクス・プリーマを任せる。「お待たせしました。シヴュラの皆さん。」甲板に現れたアヌビトゥフはパイロットスーツを着ていて、驚く一同。アヌビトゥフ「敵の攻撃に対し、我々は5機のシムーンで対抗しなければなりません。私がシミレに乗り込み、上空で直接みなさんに指示を出します。それに従ってください。」「シヴュラ・モリナス、傷はいかがですか?」モリナス「完璧な治療を受けました。」それを聞いたワポーリフは慌てて、「シミレを一機用意しろ。急げ。」
 通信朔をシムーンにつないだ状態でアヌビトゥフが言う。「シヴュラの皆さん。皆さんを戦闘に巻き込むことはもう終わりにしなければなりません。しかし、我々の力が及ばぬばかりに・・・」ネヴィリル「ありがとうございます、アヌビトゥフ艦長。そのお気持ち何があっても忘れません。」アーエル「でも、心配要らないよ。アタシ達はもう決めたんだ。」パライエッタ「今出来る事を精一杯やると。」
 アヌビトゥフ「我々は多勢に無勢。ぎりぎりまで引き付け、一気に急降下して叩きます。この第一波の攻撃で大勢が決まります。」
 近づいてくる礁国機に攻撃をしながら突っ込むアヌビトゥフ。それに続くシムーン。礁国機が次々に撃破されていく。地表すれすれで反転し、今度は太陽に向かうアヌビトゥフ「付いて来て下さい。」シミレとシムーンを追いかけて礁国機が上昇すると、2重太陽の間からアルクス・プリーマがあらわれる。グラギエフ「全門発射!」礁国機は次々撃ち落とされ、残ったものは退散する。
 フロエ「逃げてくよ。ざまあ見ろ。だよね。」アルティ「ね。どんなもんだい。」アルティ機に通信朔をつなぐアーエル機。ネヴィリル「二人とも、下品な言葉は慎みなさい。」アルティ「え、聞こえてたんですか?」アーエル「違うよ。きっとそうに違いないって二人で話してたのさ。」フロエ「ひどーい。」戦いの後で和やかな雰囲気になるコールテンペスト
 艦に戻ってくるアヌビトゥフのシミレに、艦橋のみんなが手を振る。グラギエフは顔に指を当て、合図する。
 アヌビトゥフ「コールテンペストの活躍にも関わらず、戦争の遂行能力に限界を感じた中央は、これから数日を経ずして、嶺国・礁国からの和平条約の申し入れを受け入れた。」


 ポリーヌさんの言ってた見どころのアイキャッチは、AB共にアヌビトゥフとグラギエフでしたね。Aは現在の、Bはシヴュラだった頃の二人の様です。やはりグラギエフはアヌビトゥフよりちょっとだけ年下なんでしょうか、シヴュラだった頃は背もそんなに高くなかった印象です。
 艦長が駆れば、シミレも早い!「付いて来て下さい。」なんて言っちゃうほど、艦長は早い。かっこええ。
 パライエッタも復活したようですが、ちょっと遅かったのではない?ユンとキャラがかぶり気味なので、服を着るシーンと、グラギエフに今後の提言をするしかなく、個人的にはちょっと微妙です。戦争が終わってしまった今後はどうなるんでしょうか、パラ様。
 今回のスタッフを見れば、脇のキャラがどう動いているか楽しみなところ。今回はフロエが必要以上に描かれてましたね。司兵院に「あのおじさん、ウザい。べー。」とした後で、アヌビトゥフが現れると、(よだれをたらしながら?)前に歩み出て見入るフロエに、男に対する節操の無さを感じ、どれだけ男好きやねん。と小さくつっこみたくなります。

9月1日加筆修正