スクールデイズの感想

はじめに
僕は作中の全ての行為を肯定するものではない事を、予めおことわりしておきます。特に人に刃物を向ける事は重大な犯罪です。絶対に真似しないでください。

 放送中止が話題になったこの作品。僕はTVK放送地域に住んでいるのですが、オンエア中は何が起こったのか理解できず、少々パニックになりました。翌日、ニュース等で京都の事件が放送中止のきっかけとなった事を知り、急いでTVKに文章を送り付けました。要点は二つで、一つはHP等に告知が無かった事へのクレーム。もう一つは、ひぐらしのなく頃に解が同じく放送中止になってしまうのではないか、と考え、他の番組はこの様な事の無いようにという要望です。
 やがて、ATX版スクールデイズ最終話が動画サイトにアップされ、僕も最終話を見ることが出来ました。アップされた方には感謝しております。


 関連リンク
http://www.animate.tv/news/detail.php?id=atv071004e&page=&sea=&tid=&rid=&type=
http://lantis-net.com/schooldays/index.html


 第5話くらいまでは、誠にも共感できるところがあり、全体的にもさわやかなんですが、以降の誠は最低で、雰囲気もドロドロしてきます。シナリオも鬱ですが、音楽も良く出来ていて聞いてるだけで気分が落ち込んでくるようです。
 第11話、最終話のシナリオにはちょっとがっかりです。もともとあったPCゲームのEDをいくつか組み合わせたようなシナリオになってますが、それに伴って、桂言葉が通話してない携帯電話に向かってあたかも会話しているかのような独り言を言ってます。こういうのを多分、精神障害と言ってよいと思いますが、そういう描かれ方をしてしまったのは作品としてマイナスだったと思うんですよ。社会的倫理観をあえてキャラクターにあてはめなかった(人を刺すという行為)のであれば、せめて、そのキャラクターに十分な動機付けと感情の表現をさせて欲しかったな、と。具体的には、桂言葉西園寺世界を刺した動機として、「本当に妊娠しているかどうか確かめる。」と、言うことになってますが、見ている方(僕)としては到底納得できません。桂言葉ヤンデレに仕立て上げたかった、と言うのが制作側の意図なのかもしれませんが、後半部分に入ると、もう、誠には感情移入することは難しく、見ている方(僕)としては、言葉または世界目線となるのが普通だと思うのですが、その結末がこれかよ、と思うとやるせなく思います。
 このとおり言葉はヤンデレで、じゃあ、世界はどうなのかと言うと、世界にもまた、理解に苦しみます。あの時点で、世界が幸せになるために必要だったのは、恨みの感情に駆られて誠を刺し殺すことではなく、誠との関係を断ち切ることだろう。しかも、世界は割りと冷静に誠を刺します。と言うのも、誠との最後の会話において、誠は身勝手な発言をしてなかったにもかかわらず、世界は誠に対してメールを送り、誠が見ている隙を狙って刺しに行くところからそう思う訳です。で、刺された誠は、微妙な反応をするんですね。言葉や世界との思い出をフラッシュバックさせながら、世界の名を呼ぶと言う・・・・。
 前半部分において、それぞれが魅力的に描かれているだけに、理解したいと思うのだけれども、到底それにはおよばない、ジレンマを感じます。
 それと最後に、誠目線で、言葉との出会いを語られるのが疑問。まさか、別のシナリオで続編なんて無いよね?こんな終わり方じゃあ、ニュートラルに戻せないって!